2007-01-01から1年間の記事一覧

ラスコーリニコフの13日間:十日目

<7月17日> 町をさまよい、関門の外へ出る。ソーニャ宅でスヴィドリガイロフと出会う(?) … この日と翌日の十一日目は、ラスコーリニコフの記憶が曖昧であるので「?」を点けた(と、江川さんは書いている) スヴィドリガイロフは、もっと退廃的に描かな…

ラスコーリニコフの13日間:九日目

<7月16日> 午前十一時、警察署でポルフィーリィと対話。ミコールカの自首(以上、第四編)マルメラードフの法事。ソーニャに冤罪。二度目のソーニャ訪問。犯行を告白。カチュリーナの発狂。ドゥーニャ来訪、ラズミーヒンについて話す。カチュリーナの死。…

「ラスコーリニコフ」の13日間:八日目

<7月15日> 母、妹、ラズミーヒンと話し合う。ソーニャの来訪。ポルフィーリィ宅訪問、凡人・非凡人論。「地から湧いたような男」と遭遇。老婆殺しの夢。スヴィドリガイロフ来訪。(以上第三編)。スヴィドリガイロフとの対話。午後八時、家族とともにルー…

ラスコーリニコフの13日間:七日目

<7月14日> 午前十時、意識を回復。第二の伝書人から金を受領。着替え。枕元で犯行の話。ルージン来訪。午後八時、夜の散歩へ、水晶宮でザメートフと対話。身投げ女を目撃。老婆の家を再訪。マルメラードフの死。ラズミーヒンと下宿へ。母、妹のの上京。(…

ラスコーリニコフの13日間:六日目

<7月13日> 意識不明。スヴィドリガイロフ上京。 … スヴィドリガイロフは、妻である女地主マルファ・ペトローヴナの死後(殺したという噂も…)ペテルブルグへ。アナキーで退廃的なニヒリストで、狡賢く欲望の赴くまま行動をするのだけれど、罪の意識は持っ…

ラスコーリニコフの13日間:五日目

<7月12日> 意識不明。ラズミーヒン駆けつける。伝書人、母からの送金を届けにくる。酒場の亭主、ミコールカのことを警察に通報。同夕、ミコールカ連行される。 … ラスコーリニコフが意識不明の間、ペンキ屋のミコールカに嫌疑がかかる。 ラズミーヒンが下…

ラスコーリニコフの13日間:四日目

<7月11日> 午前十一時、警察署へ出頭し、そこで失神。盗品を石の下に隠す。ラズミーヒンを訪れる。ネヴァ河のパノラマ。この夜から意識不明。 … 熱にうかされ、犯行の後始末をするところは笑える(笑っちゃいけねぇ^^;)犯罪者って、こんなに慌てふためく…

ラスコーリニコフの13日間:三日目

<7月10日> オアシスの夢。犯行準備。午後七時過ぎ、老婆とリザヴェータを殺害。下宿へ逃げ帰る。(以上、第一編)午後八時、ミコールカが盗品を持って酒場へ。 … オアシスで生命の水を飲み続ける夢。その資格を得るためには魔女退治をせねば★ ってことで、…

ラスコーリニコフの13日間:二日目

<7月9日> 母の手紙。並木道の少女.馬殺しの夢。リザヴェータと商人の会話を聞く。 … 母の手紙で、妹のドゥーニャの自己犠牲的婚約を知る…ルージンの合法的妾になるのは、ソーニャと同類じゃないか!これを阻止するには、計画実行しかない!! 痩せ馬殺し…

ラスコーリニコフのの13日間:一日目

現実の月日に則して、江川さんがまとめたもの+α ↓こんなのを見付けたので(^^) http://www013.upp.so-net.ne.jp/hongirai-san/kids/13days.html <7月8日> 老婆の元への瀬踏み、酒場でのマルメラードフとの出会い、家まで送る。 … 娘を身売りさせるほどの極…

実験…7月のカレンダー

頼まれたので作ってみた(試作みたいなもの) カレンダーって、テンプレートをDLして作るものだとは知らなかった。めんどくさいので、Painterでアナログ的に作成…しばらく使ってなかったので、オタオタ(^^ゞ…記憶をたどってなんとかかんとか。。。今後のこと…

XIII 13の数と「復活」神話

最近耳にした話。日本のアニメが、イスラム圏の国で人気だとか。宗教(キリスト教)の解釈のいい加減さが受けているらしい。(一般の)日本人には、一神教の神様の厳格さは、永遠の謎かも。 …ということで最終回。 ドストエフスキーは「13」の数字がお好き…

XII 人間と神と祈り

<信仰と瀆神の間を揺れ動くラスコーリニコフ> 幼い頃はまわらぬ舌でお祈りを唱えていた青年が、混乱のロシアの現実を目の当たりにして「神は死んだ!」と、社会から掃き捨てられた極貧の被差別民を人間に引き上げようと志す。彼自身没落貴族で、妹は成金の…

XI 万人が滅び去る夢

エピローグの読み解き…終末論から復活論へ…シベリア流刑の地でラスコーリニコフが見た夢は、ちょっと難解。ある種の繊毛虫が人体に寄生し発狂させて、傲慢と流血が蔓延する…SF的にいうと、ウィルス状のエイリアンが人体に侵入して、互いに争わせ、人類を自滅…

X ソーニャの愛と肉体

ラスコーリニコフが罪を打ち明けるのは、ソーニャでなければならなかった。もはや清廉潔白ではない自分は、母や妹と同等ではない。「新しきエルサレム」に入れない殺人者と淫売婦は、神に呪われたもの同士。 汚らわしい人殺しと、二千年前にキリストによって…

IX 性の生贄

家族を養うために身を売らなければならなかったソーニャ。その分身のリザヴェータは「観照派」の巫女で、集団で聖霊を感知して法悦に浸る儀式の「聖痴愚」だった(O_O)…「大女で醜いけれども、善良で物静かでなかなか魅力的で、常に孕んでいる」とのうわさ話…

VIII ロシアの魔女

強欲婆さんアリョーナ・イヴァーノヴァは、実は魔女。ロシアの民話に出てくるババ・ヤガーという、子ともを捕まえて喰っちまったりする魔法使いのお婆さんね。義妹の大女リザヴェータを子供のように支配し、搾取する。もちろん人々の生き血を啜る高利貸し。…

VII 「罰」とは何か

結論から言えば「生と愛の権利を取り戻すための行動が、’愛の不能’の罰を受ける結果となった」と言うことらしい。現実的には、ラスコーリニコフは懲役8年の刑を受けるんだけど、本人にしてみれば苦行を受けることに名誉を見出すような感覚…流刑地での高慢な…

VI 「ノアの箱船」の行方

箱船のイメージ:ペテルブルグそのもの、ラスコーリニコフの部屋、金貸しアリョーナのアパート、スヴィドリガイロフの安宿… 「罪と罰」執筆をはじめた頃、ドストエフスキーは、コペンハーゲンから苦しい6日間の船旅をしていたそうな。決して逃げ出せない海…

V ロジオン・ラスコーリニコフ=割裂英雄

ラスコーリニコフがラスコーチ(分離、分裂)から命名されたとして、ロジオンを「英雄」とした理由の説明。 ギリシャ語のロドン(薔薇)から派生して太陽と解釈する向きもあるそうだけど、「へーロス(英雄)→イロジオン→ロジオン」とした方が妥当。へーロス…

IV ペテルブルグは地獄の都市

ロシアは寒いところって印象があるけれど、ペテルブルグは最高気温30℃にもなるときがあるそうな。とくにこの小説の年1865年は記録的な猛暑で、まさに焦熱地獄(^^;;)。近代化の遅れを取り戻すための農奴開放政策の失敗で、地方の食い詰め者たちが大挙押し寄せ…

III パロディとダブル・イメージ

ダブル・イメージ=道化とキリスト→ラスコーリニコフ&マルメラードフ。二人とも道化であると同時にキリストを体現している。ピラドがイエスを惨めで滑稽な姿にさせて、ユダヤ人に同情を起こさせようと期待するくだりがあるそうな(ヨハネ伝19章) …ラスコー…

II 666の秘密

黙示録の獣=アンチクリスト=悪魔の刻印…こんな映画があったな〜…ヘブライ語で書かれた666が、アラビア数字に変換するのは、なんか変?と思っていたけれど、数字の表記ではないのだそうだ。「ゲストマニア」といって、各国のアルファベットに数値をつけて、…

I 精巧なからくり装置

右の画像は 謎とき『罪と罰』 作者: 江川 卓 メーカー/出版社: 新潮社 発売日: 1986-02 メディア: Book 「罪と罰」のロシア語の題名は「プレストゥプレーニエ・イ・ナカザーニエ」で、プレストゥプレーニエは、人間の定めた掟を越える(一線を踏み越える)と…

APPENDIX

アペンディクスはクリストファーさんがシルマリルと終わらざりしの存在があるにもかかわらず、新たに「フーリンの子供たち」を刊行した経移、教授の膨大なメモや推敲の取捨選択(なかには他のGreat Tailsへ移行した原稿もある)等が書いてある。 (1) The Evo…

XVIII The Death of Túrin

竜が死ぬと、トゥーリンは息を吹き返しニーニエルの元へ戻ろうとする。そこで事の成り行きと彼女の身元を聞いて、ブランディアが嘘をついてると思って切り捨る。フィンドウィラスの塚でマブルングと出会い、呪いが成就されたのを知ってカベド・アン・アラス…

XVII The Death of Glaurung

同行者の一人は怖じ気づいて戦線離脱。もう一人は落石に打たれて落下。悪戦苦闘して、カベド・アン・アラスにてグラウルングをしとめる。竜の腹部に柄元まで埋まったグアサングを引き抜くと、毒を含んだ血が吹き出て、トゥーリンは意識を失う。 そこへニーニ…

XVI The Coming of Glaurung

機が熟したと見て、グラウルングのブレシル攻撃が始まる。ニーニエルの懇願にもかかわらず、トゥランバールは邪竜退治に出陣。ふたりの同行者を引き連れて、他の者は安全な場所に止まるように、もし失敗したら全員避難するように指示して。 テイグリン川の対…

XV Niënor in Brethil

ブレシルの森で、疲れ切ってフィンドウィラスの塚の上に倒れているニエノールを見付けたのはトゥーリン・トゥランバールの一行。何もかも忘れて泣いてばかりいる彼女を「ニーニエル(涙の乙女)」と名付けてエフェル・ブランディアへ連れ帰る。そこでブラン…

XIV The Journey of Morwen and Niënor to Nargothrond

ドリアスにナルゴスロンド陥落の知らせが来て、モルウェンは理性をなくし、息子トゥーリンの消息を知るため自ら出向く決心をする。シンゴルとメリアンの説得も聞き入れない。シンゴルはマブルングを護衛と探索に使わす。ニエノールも秘密裏に同行する。これ…