ラスコーリニコフの13日間:七日目

10才に見えるかな?

<7月14日> 
午前十時、意識を回復。第二の伝書人から金を受領。着替え。枕元で犯行の話。ルージン来訪。午後八時、夜の散歩へ、水晶宮でザメートフと対話。身投げ女を目撃。老婆の家を再訪。マルメラードフの死。ラズミーヒンと下宿へ。母、妹のの上京。(以上、第二編)
ここで江川さん訳の上巻おわり。平明な訳で、読みやすかった。次から米川訳(多分第四編の五まで)

この章以降、一日の事件の経過がめまぐるしい。ルージンの俗物ぶりは、滑稽なほど。ザメートフとの対話もスリル満点。
瀕死のマルメラードフに対するカチュリーナの、言葉とは裏腹の哀しみ&絶望が憐れ。
ソーニャも可哀相…マルメラードフは、商売用の「こぎれいな」格好をしているソーニャを一度も見たことがなかった。我が身の罪深さを思い知った瞬間…「神の掟に背いた」ほうの罪(グレーフ/英語で言ったら"sin")ね。
・江川訳「だが、ふいに彼は娘に気付いた。さげずまれ、ふみにじられ、けばけばしくめかしたてられ、そんな自分を恥じて、臨終の父に別れを告げる番がまわってくるのをただつつましく待っている娘。底知れない苦悩がありありと彼の顔に現れた。」
・米川訳「と、ふいに彼は娘を見分けたーーしいたげられ、踏みにじられた娘ーーけばけばしい安衣装を恥じ入りながら、臨終の父に告別する番が来るのを、つつましげに待っている娘。限りない苦悶が彼の顔に描き出された。」
今日の画像は、ソーニャの妹のポーレチカ(10才ぐらい)…もっと痩せて、母親お手製のボロを来てるはずなんだけど。ホントはマルメラードフを描く予定だった…みすぼらしいアル中老人を描くのは、ちと難しい(^^ゞ…