IV ペテルブルグは地獄の都市

ロシアは寒いところって印象があるけれど、ペテルブルグは最高気温30℃にもなるときがあるそうな。とくにこの小説の年1865年は記録的な猛暑で、まさに焦熱地獄(^^;;)。近代化の遅れを取り戻すための農奴開放政策の失敗で、地方の食い詰め者たちが大挙押し寄せて、人口爆発状態。劣悪な労働条件、最低の生活…マルクス主義台頭etc.…職を失って酒浸りのマルメラードフなどは、地獄であがいているようなものだったんだな〜。
ラスコーリニコフを含めて、登場人物は地方出身者が大部分。バルト海奥座敷で、北のヴェネチアと言われるほどの美しい街は、天国じゃなくて実は地獄。小説の舞台センナヤ広場周辺は、そういった底辺の人たちが集まる裏町。
この町は、自然発生的に出来たのではなく、1703年ピョートル大帝がネヴァ河の無人島に要塞を築き、続いて寺院、監獄、造幣所と、人為的に造りあげられた都市で、中央集権専制国家の中枢だったそうな。貧富の差が大きく、官僚主義が蔓延っていたのもわかるような気がする。ロシア文学には「九等官」よく出てくる(マルメラードフも、元九等官)


大阪はサンクト・ペテルブルグの姉妹都市とは、知らなかった。瀬戸内海気候で、夏は特に蒸し暑いから?さしずめセンナヤ広場は、ジャンジャン横町に対応してたりして?(^0^)/…淀川とネヴァ河?…そういえば、どっちも水の都だ☆