読書記録

何故かハリポ7

本日読了。まだ内容を事細かに書くのは憚れるので、ちょっとだけ(面倒くさいし^^;) 一番気になってたS先生は、まったく予想通り…もう少し捻ってくれたらよかったのに。結局彼は「二つに引き裂かれた思いですだ」だったのね。 7巻を通して、敵役の心理描写…

XIII 13の数と「復活」神話

最近耳にした話。日本のアニメが、イスラム圏の国で人気だとか。宗教(キリスト教)の解釈のいい加減さが受けているらしい。(一般の)日本人には、一神教の神様の厳格さは、永遠の謎かも。 …ということで最終回。 ドストエフスキーは「13」の数字がお好き…

XII 人間と神と祈り

<信仰と瀆神の間を揺れ動くラスコーリニコフ> 幼い頃はまわらぬ舌でお祈りを唱えていた青年が、混乱のロシアの現実を目の当たりにして「神は死んだ!」と、社会から掃き捨てられた極貧の被差別民を人間に引き上げようと志す。彼自身没落貴族で、妹は成金の…

XI 万人が滅び去る夢

エピローグの読み解き…終末論から復活論へ…シベリア流刑の地でラスコーリニコフが見た夢は、ちょっと難解。ある種の繊毛虫が人体に寄生し発狂させて、傲慢と流血が蔓延する…SF的にいうと、ウィルス状のエイリアンが人体に侵入して、互いに争わせ、人類を自滅…

X ソーニャの愛と肉体

ラスコーリニコフが罪を打ち明けるのは、ソーニャでなければならなかった。もはや清廉潔白ではない自分は、母や妹と同等ではない。「新しきエルサレム」に入れない殺人者と淫売婦は、神に呪われたもの同士。 汚らわしい人殺しと、二千年前にキリストによって…

IX 性の生贄

家族を養うために身を売らなければならなかったソーニャ。その分身のリザヴェータは「観照派」の巫女で、集団で聖霊を感知して法悦に浸る儀式の「聖痴愚」だった(O_O)…「大女で醜いけれども、善良で物静かでなかなか魅力的で、常に孕んでいる」とのうわさ話…

VIII ロシアの魔女

強欲婆さんアリョーナ・イヴァーノヴァは、実は魔女。ロシアの民話に出てくるババ・ヤガーという、子ともを捕まえて喰っちまったりする魔法使いのお婆さんね。義妹の大女リザヴェータを子供のように支配し、搾取する。もちろん人々の生き血を啜る高利貸し。…

VII 「罰」とは何か

結論から言えば「生と愛の権利を取り戻すための行動が、’愛の不能’の罰を受ける結果となった」と言うことらしい。現実的には、ラスコーリニコフは懲役8年の刑を受けるんだけど、本人にしてみれば苦行を受けることに名誉を見出すような感覚…流刑地での高慢な…

VI 「ノアの箱船」の行方

箱船のイメージ:ペテルブルグそのもの、ラスコーリニコフの部屋、金貸しアリョーナのアパート、スヴィドリガイロフの安宿… 「罪と罰」執筆をはじめた頃、ドストエフスキーは、コペンハーゲンから苦しい6日間の船旅をしていたそうな。決して逃げ出せない海…

V ロジオン・ラスコーリニコフ=割裂英雄

ラスコーリニコフがラスコーチ(分離、分裂)から命名されたとして、ロジオンを「英雄」とした理由の説明。 ギリシャ語のロドン(薔薇)から派生して太陽と解釈する向きもあるそうだけど、「へーロス(英雄)→イロジオン→ロジオン」とした方が妥当。へーロス…

IV ペテルブルグは地獄の都市

ロシアは寒いところって印象があるけれど、ペテルブルグは最高気温30℃にもなるときがあるそうな。とくにこの小説の年1865年は記録的な猛暑で、まさに焦熱地獄(^^;;)。近代化の遅れを取り戻すための農奴開放政策の失敗で、地方の食い詰め者たちが大挙押し寄せ…

III パロディとダブル・イメージ

ダブル・イメージ=道化とキリスト→ラスコーリニコフ&マルメラードフ。二人とも道化であると同時にキリストを体現している。ピラドがイエスを惨めで滑稽な姿にさせて、ユダヤ人に同情を起こさせようと期待するくだりがあるそうな(ヨハネ伝19章) …ラスコー…

II 666の秘密

黙示録の獣=アンチクリスト=悪魔の刻印…こんな映画があったな〜…ヘブライ語で書かれた666が、アラビア数字に変換するのは、なんか変?と思っていたけれど、数字の表記ではないのだそうだ。「ゲストマニア」といって、各国のアルファベットに数値をつけて、…

I 精巧なからくり装置

右の画像は 謎とき『罪と罰』 作者: 江川 卓 メーカー/出版社: 新潮社 発売日: 1986-02 メディア: Book 「罪と罰」のロシア語の題名は「プレストゥプレーニエ・イ・ナカザーニエ」で、プレストゥプレーニエは、人間の定めた掟を越える(一線を踏み越える)と…

APPENDIX

アペンディクスはクリストファーさんがシルマリルと終わらざりしの存在があるにもかかわらず、新たに「フーリンの子供たち」を刊行した経移、教授の膨大なメモや推敲の取捨選択(なかには他のGreat Tailsへ移行した原稿もある)等が書いてある。 (1) The Evo…

XVIII The Death of Túrin

竜が死ぬと、トゥーリンは息を吹き返しニーニエルの元へ戻ろうとする。そこで事の成り行きと彼女の身元を聞いて、ブランディアが嘘をついてると思って切り捨る。フィンドウィラスの塚でマブルングと出会い、呪いが成就されたのを知ってカベド・アン・アラス…

XVII The Death of Glaurung

同行者の一人は怖じ気づいて戦線離脱。もう一人は落石に打たれて落下。悪戦苦闘して、カベド・アン・アラスにてグラウルングをしとめる。竜の腹部に柄元まで埋まったグアサングを引き抜くと、毒を含んだ血が吹き出て、トゥーリンは意識を失う。 そこへニーニ…

XVI The Coming of Glaurung

機が熟したと見て、グラウルングのブレシル攻撃が始まる。ニーニエルの懇願にもかかわらず、トゥランバールは邪竜退治に出陣。ふたりの同行者を引き連れて、他の者は安全な場所に止まるように、もし失敗したら全員避難するように指示して。 テイグリン川の対…

XV Niënor in Brethil

ブレシルの森で、疲れ切ってフィンドウィラスの塚の上に倒れているニエノールを見付けたのはトゥーリン・トゥランバールの一行。何もかも忘れて泣いてばかりいる彼女を「ニーニエル(涙の乙女)」と名付けてエフェル・ブランディアへ連れ帰る。そこでブラン…

XIV The Journey of Morwen and Niënor to Nargothrond

ドリアスにナルゴスロンド陥落の知らせが来て、モルウェンは理性をなくし、息子トゥーリンの消息を知るため自ら出向く決心をする。シンゴルとメリアンの説得も聞き入れない。シンゴルはマブルングを護衛と探索に使わす。ニエノールも秘密裏に同行する。これ…

XIII The Coming of Túrin into Brethil

家族がドリアスで無事だと思ったトゥーリンは、オークに連れ去られたフィンドウィラスを探し求めてブレシルへ。そこでフィンドウィラスが殺されて、遺体はハウズ・アン・エルレスに葬られたことを知る。彼はトゥランバールと名のり、ブレシルに止まる。 ブレ…

XII The Return of Túrin to Dor-lómin

ドル・ローミンへの道中で、エイセル・イヴリンの水は凍っていた。もしこの水をトゥーリンが飲んだら、グラウルングの呪縛が解けて我に返ることが出来たんだろう。23年ぶりに故郷の土を踏むが、モルウェンとニエノールの旅立ちを知って、竜の嘘に気付く。フ…

XI The Fall of Nargothrond

トゥーリンがナルゴスロンドに来て5年が経ったころ、海の神ウルモの警告を携えて、ゲルミアとアガルワインがやってくる。今や王オドロレスの右腕であり、ナルゴスロンドを牛耳っているトゥーリンは、橋を壊して敵の侵入を防ぐより、攻撃に出る策に固執する…

X Túrin in Nargothrond

一週間ぶりのトゥーリンのお話…グィンドールが可哀相なんだもん。 ナルゴスロンドで、妖剣アングラヘルは鍛え直されてグアサングに。トゥーリンはエルフ軍団を引き連れて、オーク退治に出陣。ナログ川に橋が架かり、ナルゴスロンドは守りから攻めの体制に。 …

IX The Death of Beleg

折角苦労して救出したのに、暗闇の中で間違ってトゥーリンに殺されてしまうベレグ。途中で同行したグィンドールがナルゴスロンドへ案内する。不吉な剣アングラヘルはトゥーリンの手に…トゥーリンに関わった者は、非業の最期をとげるのね(T.T)グィンドールさ…

VIII The Land of Bow and Helm

ドラゴン・ヘルム(トゥーリン)とストロング・ボウ(ベレグ)の活躍のは、モルゴスの知るところとなる。ドリアスの外だからね。アモン・ルース周辺にスパイが派遣される。隠れ家に案内したのはミーム。ミームが積極的に裏切ったとは!…たまたまオークに捕ま…

VII Of Mîm the Dwarf

無法者のリーダーとして荒野をさまようトゥーリン。道中捕らえた、ペティ・ドワーフのミームの棲アモン・ルースに落ち着く(ミームも不運なドワーフ)。厳しい冬に倦んでいるところに、ベレグがあらわれる。飢えと病を救われるが、トゥーリン以外はベレグを…

VI Túrin among the Outlaws

無法者の仲間になっているトゥーリン。ベレグに再会するが、ドリアスへ戻るのは拒否。ベレグは一旦ドリアスにてシンゴルに報告し、ホームグランドの北辺へ(レンバス持参で)…その後姿を消す…もちろん再度トゥーリンと合流するためね。 ベレグの行動は「シル…

V Túrin in Doriath

ドリアスにて、シンゴルとメリアンに歓待され、成人になったトゥーリン。でも、小姑みたいなのがいるんだよね。サエロスとダエロン。エルフの王国に卑小な人間が巾をきかせている!とうとう事件(事故)が…。トゥーリンは、マブルングの忠告を受け入れず、ド…

IV The Departure of Túrin

トゥーリンをドリアスに送ったモルウェン。ニエノールがお腹にいたとしても、いっしょに行ったらよかったのに。メリアンの招きにも、情けをかけられるのを潔しとしない。もっと素直にならなきゃ。モルゴスの呪いで、どっちに転んでも裏目に出たのかもしれな…