メモ I " カラマーゾフ" の姓について

「カラ」とは、チェルク・タタールゴ語で「黒」の意味。アリョーシャは、スネギリョフの頭のいかれた妻から「チェルノマーゾフさん」と呼ばれた(「チェルノ」はロシア語で「黒」)
「マーゾフ」は、ロシア語の「マーザチ(塗る)」から。以上で「カラマーゾフ」とは「黒塗りさん」という意味だって(笑)
他に「カーラ(罰)」という解釈もある…「罪と罰」のナカザーニエではなく、道義的な「天罰」という意味ね。
ドストエフスキーは、「カラマーゾフ的(karamazovskiy)」「カラマーゾフ流に(po-karamazovski)」「カラマーゾフ気質(karamazavshchina)」などと、「カラマーゾフ」という言葉を普通名詞に仕上げようと意図していたようだ。 現実に1934年刊行の「ウシャコフのロシア語辞典」に「カラマーゾフ気質」が登録されていて次の語義が出ているそうな↓
「極度のモラル感の欠如、無抑制の情熱にともなわれ、道徳的堕落と高揚した精神的衝動との間の不断の動揺を特徴とする、風俗的、民族的、ないし心理的現象である」