千の顔をもつ英雄(下)…まとめ(のようなもの)

  • 神話の現代的知性による解釈(下巻P-210)

・自然界を説明しようと模索する原始的努力(フレイザー
・指摘空想の所産で先史時代から受け継がれ、後世、誤解され手いるもの(ミュラー
・個人を集団へと適応させるのを目的とする、寓意的教訓の貯蔵庫(デュルケム)
・人間プシュケの深層に内在する原型衝動の徴候たる群夢(ユング
・人間のもっとも徹底した形而上学的洞察を伝承する媒体(クーマラスワミー)
「神話は個人や人種や時代のさまざまな固定観念や要請にあわせた形をとってあらわれる。それはさながら生命そのものが。同様の固定観念や要請にあわせてあらわれるのとよく似ている。」

  • 個人と社会

人類の歴史から見れば、一瞬の命でしかない個人が、集団の中で生活し、歴史、原語、物の見方などを共有することによって、人間として存在し得る。自然の周期に合わせた儀式や祭礼、周囲で目にする動植物の象徴化などを受け継ぐことによって、世代を超えて神話の原型が持続していく。
共同体から脱落する者は無となり、集団の成員としてではなく一個の人間として、自己探求がはじまり、個体の本質と世界の本質が同一であることを認識する(”自己を確立すれば世界が見えてくる”ってこと…だろうと思う^^;…内なる宇宙?)…で、彼は流浪の旅から英雄(神)となって、再び社会に帰還する。
「(自己の本来ある姿を悟った英雄にとって)利己と利他の問題は消滅する。個人はうちなる普遍法則によって己を喪失し、宇宙の意味全体と同一化して再生される。己(神)のために、己(神)によって世界は創られた」

  • 英雄の肖像

・超自然的出生(処女受胎、脇腹から生まれるetc...)異形であったり、不思議な能力や知性を持つ。実在の英雄には伝説の捏造が施される。
・自分探しの旅に出て、出自を確認する(無意識下の魑魅魍魎も制御せねば)
・悪鬼を滅ぼして、救世主となる…その後、自ら専制君主となったり、自己の集団を救済する目的で他者を排除したり…つまり悪鬼や龍となって、新たな英雄に斃される(こともある)
…後は長くなるので、再読時の宿題にしよう(^◇^;)
借りた本は熟読し難い(ような気がする)お値段と相談して、買う価値があるかどうか見当してみよう。我が地方のPrefectural図書館は、3週間借りられる(延長を含めるともっと…)ので、充分間に合うと思うけれど、つい焦ってしまうのは何故でしょう?(笑)
この本は、スター・ウォーズなど、SF作家や脚本家に多大な影響を与えたそうな。