メモ XIV 実在する悪魔

譫妄症…つまりアルコール中毒などによる幻覚症状。イワンが会ったちんけな悪魔は、イワンの分身。スメルジャコフとの面談により、教唆犯としての自分自身に耐えられなくなって幻覚の発作が起きる。「彼は、神への不信に悩んでおり、それと同時に(無意識のうちに)幻覚が単なるファンタジーではなく、実在する何かであって欲しいと願うのですbyドストエフスキーの手紙」つまり、幻覚を否定すれば、悪魔の実在を否定できない。
「ぼくはアイツが本当のアイツで、ぼくでなければいいのにと、どんなに思っているかしれないんだ!(中略)ぼくをじらすんだよ!それがさ、実に巧妙なんだ。『良心!良心がなんてなんだ、そんなものは自分で作るものさ。じゃ、どうして苦しむのか?習慣でだ。七千年来の全世界的な人間の習慣でだよ。そんなものからは足を洗って、神になろうじゃないか』これはアイツが言ったことなんだ、アイツが言ったんだbyイワン」→「『誇り高い決心の苦しみ、深い良心の呵責』で、彼が信じてない神と、真実とが、未だ従おうとせぬ彼の心に打ち勝とうとしているのだbyアリョーシャ」
スメルジャコフは自殺したし、法廷では悪魔が出現したので、イワンの証言は一笑に付されるんだけどね〜。
イワンにとっては、悪魔は存在した。それが神を信じないものにとっての宿命だって(Brrr)