メモ VII "蛇の季節" のなかで

イヴを誘惑した蛇。しばしば竜に擬せられる。
・スネギリョフ二等大尉が「石」に腰を下ろしてアリョーシャに語る、息子イリューシャと観た凧揚げの光景。
口語の「ズメヨーク(凧)」を使わないで、「凧」と「蛇」の両方の意味がある「ズメイ」を使っている→「一面に凧(蛇)が揚がっておりまして…三十ほどの凧(蛇)が見えます。…今がちょうど凧(蛇)の季節なんでございますな」「石」に関しては、後で書く機会があるかも
・フョードルとドミトリーの親子のいさかいを見て、イワンは憎々しげに「何が恐ろしいことだい?蛇が蛇を食い殺すだけさ、二人ともそれが当然のむくいなのさ!」
その後「ぼくが<二匹の蛇の食い合い>を望んでいるとは思わなかったかい。つまり、ドミトリーが親父を殺すことを望んでいてさ…なんなら手を貸すこともいとわない、というようには思わなかったかい?」とアリョーシャにたずねる。カチュリーナに会ったときから、イワン自身も「蛇」と化した?
・スメルジャコフは、イワンの「思想的影」の存在であるとともに、母親を辱めた仇敵としてフョードル(蛇)への殺意をいだいていた。
ヨハネ黙示録より。「悪魔であり、サタンであり、昔の蛇である竜」
竜は大天使ミカエルに地に投げ落とされても悪業をやめず、ついに捕らえられ一千年の間鎖に繋がれ底知れぬ淵に封印される。その後「しばらくの間」解き放されることになっている。キリストの再臨があって、地上の楽園(新しきエルサレム)が訪れるのはその後のこと。
ドストエフスキーは、カラマーゾフの親子兄弟をはじめ、あまたの「蛇と蛇の食い合い」が進行する同時代のロシアを「楽園の到来」に先立つ終末の時とみなしていた。


…たぶんそれは、今も続いていると思うよ。「しばらくの間」って、天文学的時間じゃないかな?人類が誕生したその時からず〜〜〜っとだったりして…絶滅するまで末世だ(O.O;)(o。o;)
思うに、メルコールやサウロンも「竜」なんだ☆サルマンは、さしずめ「憎しみに満ちた傲慢さを糧に生きている、荒野で飢えた者」か!?
あちらさんでは「竜」は邪悪の代名詞みたいね。東洋では、もっと高貴なものとして認識されてるし、可愛いところもあるのに…わたしとしては、好きな動物なんだけどな〜。竜そのものの成り立ちが違うのかな?調べてみるのも面白いかも(^^)