メモ VI 3と13の間

数字にこだわるドストエフスキー。どこの民話や神話も「3」は象徴的に扱われているけれども、この「カラマーゾフの兄弟」にも「3」がオンパレード。三人兄弟、3,000ルーブル、三位一体etc.で、四部から成る長編の各部が三編構成(3×4=12)とエピローグ3章のおまけ付き(4も四大元素、東西南北など、古来から神聖視されていたし、12も完全数
つまり12+α≒13で、完全数に剰余が付いて、不吉な数字(13)に限りなく近くなる。「十三年後」の第二の小説で「不吉」が完結するんじゃないか?…要するに、主人公であるアリョーシャの非業の死が見えてくる。
第一の小説「カラマーゾフの兄弟」で二十歳だったアリョーシャは、十三年後は三十三歳。この年齢は、ドストエフスキーが理解していたキリストの没年と一致するんだって。「現代のキリスト」たるアリョーシャが、「ユダ」の密告により官憲に捕らわれ、処刑される運命にあるのを示唆することに。


カラマーゾフ三兄弟と、フョードルの私生児(と目される)スメルジャコフとの関係も、3+α≒4…結構しつこい^^;;)


3+4=7も完全数とされているそうな。「罪と罰」の章立てが全六編とエピローグで、6+α≒7になるのは、完全数に限りなく近づこうとしている。ラスコーリニコフとソーニャの未来は明るいのだな?(^^)