Crime and Punishment…ナポレオン?

人間は凡人と非凡人に分類されて、非凡人は人類の幸福や発展のためには、凡人の道徳や規律を踏みにじる権利を持っている。つまり善い目的のためには他の人間の血を流してもかまわない。ナポレオンは、多くの屍を踏み越えて英雄となった。歴史上の偉人は、あらゆる犠牲をものともせず既存の法を破壊したではないか。
これって、現在でも言い訳に使われる理論だよね。戦争や革命、テロにも。つい最近「痛みを伴った改革」なんて言ってた人もいる(笑)わたし的には、成功した者が英雄で、失敗した者が犯罪者になると思う…。


当時のロシア帝国は、クリミア戦争敗退後の農奴解放、資本主義の台頭などで、都市貧民層が増加し、ペテルブルグは革命前夜の様相を呈していたそうな。
ラスコーリニコフは虐げられた人々を救済するために、社会の虱のような強欲婆さんの財産を有効に使う「権力」を得る必要があった。しかし老婆の妹のリザヴェータまで殺してしまって、葛藤が始まる。

  • 「それ、間違っていますわ」と、彼女は言った

リザヴェータはソーニャの分身だって。「…リザヴェータ!ソーニャ!ふたりともつつましい目をした、つつましい可哀相な女だ…やさしい女たち…なぜ、あの女たちは泣かないのか?…なぜ、うめかないのか?あの女たちはすべてを与えながら…つつましい静かな目つきをしている…ソーニャ、ソーニャ!静かなソーニャ!…」


どこぞの魔法使いが言ってたな〜。「死んだっていいとな!たぶんそうかもしれぬ。生きている者の多数は、死んだっていいやつじゃ。そして死ぬる者の中には生きていてほしい者がおる。あんたは死者に命を与えられるか?もしできないのなら、そうせっかちに死の判定を下すものではない。すぐれた賢者ですら、末の末までは見通せぬものじゃからなあ。」


…何度も読み直したい作品って、書きたいことが沢山あって、うまくまとまらない。機会があれば、いつかUPするかも…