マルガリータ

花びらを押し花に

いよいよヒロインの登場♪…ここから第二部
巨匠はベズドームヌイに、恋人の名を決して語らなかった。

  • 19: Margarita

そのひとの名はマルガリータ・ニコライヴナ。かなり地位のある科学者の妻。夫は若くハンサムで、誠実、しかも妻を熱愛していた。でも、マルガリータは幸せではなかった。
美しく聡明で片方が少し斜視のマルガリータは、裕福な暮らしよりも巨匠が必要だった。こんな風に書くと、なんか通俗的な不倫物語みたいだけど、真実に愛する(会うまえから愛していた)人って、なんかわかるような気がする。ま、とにかく読んでみたら納得できるとしか言いようがないな〜…要するに説明できない(^◇^;)
「片方が斜視…」は魔女を暗示すると、聞いたことがある。マルガリータは黒髪で、緑がかった目も魔女っぽい。
で、巨匠が失踪した後、燃え残った原稿と巨匠の預金通帳、薔薇の押し花を形見に悲嘆に暮れていたマルガリータが何かが起こる予感で目覚めたのは、例の黒魔術に引き起こされた大騒動があった金曜日。
小間使いのナターシャから、下着姿で右往左往するご婦人方の噂を聞いて大笑いし、散歩に出かける。途中でベルリオーズの首が棺から盗まれたことを小耳に挟む。
公園のベンチで、アザゼッロから金の容器に入ったクリームを受け取り、ヴォランドの招待を受ける。
いっこうに信用してくれないマルガリータに、業を煮やしてぼやくアザゼッロの台詞↓(^◇^;)
'Difficult folk, these women! ... Why, for instance, was I sent on this business? Behemoth should have gone, he's charmer...'
...
'No dramas, no dramas, you must also put yourself in my position. To give some administrator a pasting, or chuck an uncle out of the house, or gun somebody down, or any other trifle of the sort - that's right in my line. But talking with a woman in love, no thanks! ... it's half an hour now that I've been wangling you into it ... So you'll go?'

ファウストに捨てられ、自ら嬰児を殺してしまう。後に地獄に堕ちるファウストを救う。またの名をグレートヒュン。
ブルガーコフマルガリータのモデルは、三度目の妻エレーナ夫人であり、グレートヒュンの要素も与えられているそうな。