比べてみると

…固有名詞の表示は安井訳に準じよう。水野訳も違和感なし(句読点を整理してくれたら、もっといいのだけれど^^;)。法木訳はちょっとピンと来ないところもある。ポンティ・ピラトが、部下に向かって丁寧語で呼びかけてるのは、ロシア語の二人称を使い分けてあるからと解説に書いてあるけれど、なんとなく不自然。
でも、群雄社版は参考地図が載ってるのが強み♪(地図好きにはたまりませんな〜)集英社版は主要人物の関係図と、詳しい解説、他作品の紹介など、至れり尽くせり(^^)…三者三様で、どちらも捨てがたい。長年付き合ってきた、安井訳を贔屓にするのは許してね(笑)

  • 1: Never Talk with Strangers

第一の書のエピグラフファウストの一節)
'...who are you?'
'I am part of that power which etermally wills evil and etermally works good'
巨匠とマルガリータ」の長さに恐れをなしている方は、とにかく一ページ目を読んでみてとオススメする。読み出したら止まらないから(#^.^#)…悪魔さんが素適ですよ♪
無神論者のベルリオーズとベズドームヌイが、ヴォランド教授に翻弄されて2000年前のヴィジョンに引き込まれていく↓

  • 2: Pontius Pilate

ピラトがイエス(イェシュ)の処刑を決定する(せざるを得なくなる)まで。
ここで面白いのは、マタイ(レヴィ・マトヴェイ)のことを「無知故に、わたしの言ったことをすべて混同したのです。この混乱が続くのは、みな、あの男がわたしのあとから、誤って書き付けるせいなのだ」と言うところ。やはり、英雄(or神)が生まれるところには、粉飾(脚色)、捏造があるのね(笑)…善意から出たとしても、正確とは言えない記録が、人々の誤解を生む…そして、伝説も…
巨匠が書いた、聖書とはひと味違ったピラトとイエスの物語の始まり。
つまり、1920年代のモスクワと2000前のエルサレムの出来事が同時進行。どちらか一方をストレートに読んでも、面白いかも。