マビノーギの四つの物語3

謎のおっちゃん

  • スィールの息子マナウィダン

・ベンディゲイトブランの弟マナウィダンは、カスワッサウンに領地を乗っ取られて失意の中にあった。プレデリ(第一話に出て来たプイスの息子ね^^)が慰めて、母のリアンノンを奥方にと勧め、自身の妻キグヴァと四人でダヴェドに住もうと申し出る。四人の間に篤い友情が生まれ、日々を楽しく過ごしていた。
・ある日、アルベルスの地に滞在しているとき、突然雷鳴がとどろき霧に包まれ、側近も家畜も消え失せてしまった。すべての領地も荒れ果て、四人は暮らしを立てるために職を持つことにした。
・スォイゲルの各地で鞍造り、楯造り、靴造りをしたが、どの職も素晴らしい技術で大繁盛しすぎて、同業者の妬みに会い、命を狙われてしまう。争いを好まないマナウィダンはそのたびに町を離れる。四人は最後に再びダヴェドにむかう。
・再びアルベルスに帰ったが、プレデリとリアンノンが行方不明になって、残ったのはマナウィダンとキグヴァ。高潔なマナウィダンは友人の妻に手を出すことなく友情のみで、二人して三つの土地を開墾。耕地から上質の小麦が育ち、収穫するばかりになった。
・二つの畑を刈り取る前夜に丸裸にされたマナウィダンは、最後の畑の不寝番をすることにした。真夜中にネズミの大群が小麦を食い荒らしに来たので、そのまっただ中に躍り出て一匹のネズミを捕まえ、手袋の中に封じ込めた。怒りに駆られてキグヴァが止めるのも聞かず、ネズミを縛り首にしようとすると、学僧や司祭がやってきてネズミの命乞いをするが、マナウィダンは拒否。今度は大僧正が来て、ネズミの代価を尋ねる。
・条件は、プレデリとリアンノンを自由にし、ダヴェドの地から呪いを解き、今後いかなる災厄も降りかからぬこと。そしてネズミの正体を明かすように要求。
・ネズミはこの大僧正の妻で、身重の身。彼は、第一話に出て来たクリトの息子グワウルの友人スィウィトで、リアンノン婚礼の件でプイスに侮辱された報復として、ダヴェドに魔法をかけ、プレデリとリアンノンを捕らえたと言う。
・呪いは解けて、ダヴェドは人々も家畜も家も元通りになり、以前のように栄えた。めでたしめでたし(^.^)
*この後半の話は、どこかで読んだ記憶があるぞ。確認してないけれど「中世騎士物語」だったと思う(間違ってたらゴメン)マビノギオンはアーサー王その他の伝説の原型なのだから、似た話が随所にあるんだろうね。

中世騎士物語 (岩波文庫)

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