にせの花作り女<モーツァルト>

beruthiel2009-05-06

一般的には「偽の女庭師」として知られている。モーツァルト18才の作品。
題名だけは聞いたことがあるという程度で、どんなストーリーなのか全く知らなかった。モーツァルトらしいラブコメディ。明るくてナンセンスで、ちょっぴりアイロニカル。

  • キャスト

・市長ドン・アンキーゼ:ルドルフ・シャヤング
・サンドリーナ(実は公爵令嬢ヴィオランテ):エヴァ・メイ
・ベルフィオーレ伯爵:クリストフ・シュトレール
・アルミンダ(市長の姪):イザベル・レイ
・騎士ラミーロ(アルミンダの元婚約者):リリアーナ・ニキテアヌ
・セルベッタ(小間使い):ユリア・クライター
・ナルド(ヴィオランテの従僕):ガブリエル・ベルムデス
管弦楽チューリヒ歌劇場・シンディルラ管弦楽団
・指揮:ニコラウス・アーノンクール
・演出:トビアスモレッティ
{収録:2006年2月23・25日 チューリヒ歌劇場

  • あらすじ

・第一幕
市長ドン・アンキーゼは、美人の女庭師サンドリーナにぞっこん。サンドリーナの助手ナルドは小間使いセルベッタが好き。市長の姪アルミンダの婚約者ベルフィオーレ伯爵が現れ、サンドリーナが昔の恋人ヴィオランテにそっくりなのに驚く。アルミンダに捨てられた騎士ラミーロは、未練タラタラ。
実は、伯爵は嫉妬のあまり、公爵令嬢ヴィオランテを刺して逃亡中。ヴィオランテは一命を取り留め、サンドリーナと名乗って市長の庭師になっていた。
・第二幕
ラミーロは、伯爵が追われていると、市長に注進。サンドリーナは、自分が被害者であるが、死んでないので伯爵は殺人犯ではないと、弁護。
伯爵とサンドリーナの関係に気付いたアルミンダは、サンドリーナを拉致。森の中に捨てさせる。
森の中で伯爵とサンドリーナは、ナルドの取りなしにもかかわらず頭が混乱。絶望して狂乱状態。
・第三幕
伯爵を諦めきれないアルミンダと、彼女との結婚を懇願するラミーロとの板挟みの市長。
シッチャクメッチャカで、結局伯爵とサンドリーナ、アルミンダとラミーロ、ナルドとセルベッタのカップルの出来上がり。

  • 心変わりと行き違い

小間使いを誘惑してたのに、美貌の庭師にコロッといかれる市長。自分を刺して逃げた恋人に再会して、揺れ動くサンドリーナ。ラミーロを捨てて伯爵に執着するアルミンダ。他の女と婚約したのに生きているのがわかったら、元の恋人とのよりを戻そうとする伯爵。市長とサンドリーナを許せないセルベッタは、ナルドの求愛が煩わしい。
バカバカしくも他愛ない恋愛模様。首尾一貫して愛を貫くのは、ラミーロとナルドだけ…ストーリーを簡潔に説明するのが、メチャややこしい(;^_^A

  • 現代版

当時の衣装は豪華絢爛だったに違いないけれど、スッキリとした舞台配置とシンプルな衣装が、ドタバタ喜劇によく似合ってると思う。サンドリーナのカシュクールドレスが、ショートの黒髪にとってもお似合い。ドジな伯爵の軽薄さ加減も笑えるし、アルミンダのミーハーぶり(実は結構シリアスな所もあり)セルベッタの鋭い観察眼(リアリストなのね)。。。モーツァルトの女性陣は元気溌剌で、男性が振り回されてるようなストーリーが多いみたい(^0^)/