リゴレット

beruthiel2009-01-18

ヴェルディ作曲
ファビオ・ルイージ指揮 2008年6月21日 ドレスデン国立歌劇場
マクベスさん夜の女王さまが出て来たのはびっくり\(◎o◎)/!
フローレスの突き抜けるような明るい高音に、公爵のイメージが180度転換。
。。。おもわず「かぜの な〜かの はねの よ〜ぉに…」と鼻歌が出たりしてf(^ー^;

  • キャスト  

リゴレット(せむしの宮廷道化師):ジェリコ・ルチッチ(Br)
ジルダ(リゴレットの娘):ディアナ・ダムラウ(S)
マントヴァ公爵(好色な領主):フアン・ディエゴ・フローレス(T)
スパラフチーレ(刺客):ゲオルク・ツェッペンフェルト(B)
マッダレーナ(スパラフチーレの妹):クリスタ・マイア(MS)
モンテローネ伯爵(公爵に娘を弄ばれた男):マルクス・マルカールト(Br)
管弦楽ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
合唱:ドレスデン国立歌劇場合唱団
演出:ニコラウス・レーホフ           

  • あらすじ

狒々爺の公爵に娘を陵辱された、お抱え道化師が復讐を企て、誤って最愛の娘を殺してしまうってのが、わたしの基礎知識。。。もっと複雑だったのね。
・第一幕
マントヴァ公爵の宮廷舞踏会にて、娘を公爵に弄ばれたモンテローネ伯爵が怒鳴り込んでくる。公爵お抱えの道化師リゴレットは、伯爵を嘲弄。激怒した伯爵は、公爵をなじりリゴレットに呪いを掛ける。
・第二幕
リゴレットは伯爵の呪いを恐れつつ帰宅。途中、殺し屋スパラフチーレに出会う「ヤツも俺と同じ穴の狢。ヤツは刃で、俺は舌で人を殺す」と自嘲。
自宅では箱入り娘ジルダが待っている。彼女は、公爵たちの毒牙から護るため外出禁止。唯一許されている教会で、ハンサムな若者に惹かれる(実は公爵)←侍女の手引きで、密会。
一方廷臣たちは、リゴレットの毒舌の仕返しを計画。ジルダをリゴレットの情婦と勘違いして、さらって公爵へ献上。
驚き慌てて宮廷へ駆け込むが、後の祭り。リゴレットは公爵への復讐を誓う。
・第三幕
スパラフチーレの居酒屋。殺し屋の妹マッダレーナを口説く公爵。リゴレットはジルダに公爵の本性を見せつける。
マッダレーナは兄に、公爵を殺さないように懇願「んじゃ、真夜中に最初に出会った者を殺すことにしよう」公爵を愛してしまったジルダは、それを聞いて身代わりになることを決意。
死体を受け取ったリゴレット。何処からともなく、公爵の陽気な歌声。驚きあやしみながら確認すれば、袋の中は愛娘ジルダ!
「呪いが成就した!」とくずおれるリゴレット

  • 頂点と底辺

・公爵
生まれながらの貴族。ドン・ジョヴァンニのようにデモーニッシュでもなく、光源氏のように女々しくもない。全ての美人は自分のもの。その時々は真剣に恋している。天真爛漫で快活。公国の頂点に立つ者として、「下々の者」は彼の所有物。自由に扱った所有物が傷つき苦しむのは思い至らない。それを知ったとしても、なんの痛痒も感じない(かえって当惑するだけ?)
リゴレット
公爵付きの道化師。よーするに太鼓持ち。ご機嫌を取っているうちに「虎の威を借る狐」になってしまった。醜い姿に生まれて、心まで卑屈になり、世間を恨みの目で見ている。
宮廷の堕落から護っていた手中の玉を奪われて殺意をいだいたときも、自分で手を下さず殺し屋を雇う。結果ジルダを失った耳に、ノー天気な歌声。天に唾を吐いた我が身の呪いを自覚。

リゴレットの屈折した心の闇が一人芝居に終わって、公爵が常にハッピーなのが残酷。イタリアオペラって勧善懲悪の大衆演劇じゃなかったのね。
ヴェルディが生きていた時代は、イタリア統一の気運が高まった時期でもあるそうな。上に立つ者は人々の幸福に責任を待たねばならない。責務を果たさない指導者に蹂躙される庶民を描いたのかも。国民の幸福に無関心な政治家や高級官僚、リストラを断行する職務怠慢の社長さんはこの国にも…(¨;)
同時多発テロをうけて被害者面で、弱小国に喧嘩をふっかける某大国も厚顔無恥だべな。なぜ憎まれるのか考えたことあるのかにゃ?。。。やらせという噂もあるべな。