ラ・ボエーム

beruthiel2008-12-22

1979年 スカラ座
これもTV録画の商品化。「画質・音質ともにまったく冴えないマニア向けアイテム(HMV)」と断り書きがあるくらいオンボロ(^◇^;)
「後年ほど肥大化していない」パヴァロッティさん、まさにロドルフォにぴったし…ちょっと軽率なところも、良い味出してる。彼は、こんな役が合ってるのかも(笑)話の展開に無理があるけれど、明るくて素朴な若者たちを活き活きと描いていて「アホくさい悲恋もの」という偏見は(ちょとだけ)払拭。

PUCCINI : LA BOHEME [DVD]

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  • キャスト

ミミ(お針子):イレアナ・コトルバシュ
ロドルフォ(詩人):ルチアーノ・パヴァロッティ
ムゼッタ(店員):ルチア・ポップ
マルチェッロ(画家):ロレンツォ・サッコマーニ
コリーネ(哲学者):エフゲニー・ネステレンコ
ショナール(音楽家):ジョルジョ・ジョルジェッティ

  • あらすじ

・第一幕
パリのボロアパートの一室。ロドルフォ、マルチェッロ、コリーネ、ショナールは、芸術家(ボヘミアン)の卵。貧しいながら陽気に共同生活を営んでいた。ショナールの臨時収入で、四人は街へ繰り出すことに。
原稿を書き終えて合流する予定のロドルフォのところへ、階下に住んでいるミミが蝋燭の火を借りに来る。すきま風で蝋燭が消え、ミミが落とした鍵を手探りで探すうちに意気投合。
・第二幕
パリはクリスマスイヴで大にぎわい。ロドルフォは待ち合わせのカフェで、仲間の三人にミミを紹介。そこへマルチェッロの元恋人ムゼッタが、金持ちのパトロンと現れ、二人は元の鞘に。
四人のボヘミアンと二人の娘は、勘定書をムゼッタのパトロンのツケにして楽しく帰宅。
・第三幕
マルチェッロとムゼッタが働いている酒場。ミミはマルチェッロに、ロドルフォとの仲を相談にやって来るが、当のロドルフォが現れたので、物陰に隠れる。ロドルフォは、貧乏な自分と暮らせば病状が悪化するのが心配だと打ち明ける。お互いの気持ちを理解した二人は別れる決心をする。
マルチェッロの方は、浮気なムゼッタと喧嘩別れ。
・第四幕
再び貧乏アパート。別れた恋人を忘れられないけれど、陽気に騒いでいる四人。そこへムゼッタが瀕死のミミをつれてやって来る。ミミは金持ちの囲い者になっていたがロドルフォを忘れられず、彼に看取られたいと望んでいる。
薬を買うためのお金の工面に繰り出す仲間たち。二人きりになって、ロドルフォとミミは楽しかった頃のことを語り合う。
みんなが帰ってきて、親切に感謝しながら静かに息を引き取るミミ。ロドルフォは号泣。

  • 蝋燭を消したのは誰?

すきま風でミミの蝋燭が消えたんだけど、ロドルフォのは自分で消したような…「ぼくは貧乏詩人なんです」「あら、わたし詩が好きよ」なんて、とってつけたみたい(笑)←解説書に書いてあった。パリが舞台なのにイタリア語とはこれ如何に?…オペラの言語は国籍無関係(^_^;
ミミ役のイレアナ・コトルバシュ、楚々として薄幸のお針子が似合ってる。。。そのわりには、ロドルフォと別れて金持ちの世話になるなんてちゃっかりしてるよな〜。
元気いっぱいのルチア・ポップが見もの(聞きもの)だね。エフゲニー・ネステレンコの「さらば古外套」が、一番好きかも(^^)

  • 仲違い

この歌劇は、「道化師」を作曲したレオンカヴァッロがオペラ化をプッチーニに提案したのだけれど、プッチーニはこれを拒否したので自分で作曲を開始。ところが断ったはずのプッチーニが先に初演したので、レオンカヴァッロは激怒。その後二人は口もきかない仲になったそうな(^◇^;)