エピローグ

  • 33: Epilogue

その後もモスクワは混乱がつづき(国中に)黒猫受難や誤認逮捕が相次いだ。捜査当局は前代未聞の力を持つ催眠術師の仕業で、マルガリータと小間使いもその美貌が故に彼等に誘拐されたと結論。精神病院から自称巨匠の誘拐された動機は解明されなかった。
此処も矛盾が…30章では死んだことになってるのにね。いつかこの辻褄を合わせる日が来るのだろうか?(海外サイトを検索してみるのも手かも…語学能力を磨かないとな〜^^;)
わたしとしては「失踪派」…ナターシャだけ消えたら、疑いが掛かるもん。魔女となっては、名誉もへったくれも気にしないだろうけれど(^_^;)

  • 何年かが過ぎ

一味に翻弄された人々は平凡な日常に戻っていった。(性格と職場は変わったけれど)
特筆すべきは以下の二人。毎年、春の満月が訪れる宵
・豚顔のニコライ・イワノヴィチ・は庭のベンチに座り、「ああ、俺は馬鹿者だ!どうして俺は彼女と共に飛んでいかなかったのだ?何に怖じ気づいていたのだ、老いぼれロバよ?証明書がなんだというのだ!…ああ、今になって苦しむがいい。老いぼれの馬鹿野郎が!…」と叫ぶ。
・歴史哲学の教授イワン・ニコラエヴィチ・パヌイレフ(ベズドームヌイのペンネームは捨てた)は夕方になると、パトリアルシェ池のベンチに座って、1〜2時間物思いにふけり、心をかき乱される。鎮静剤をうって見る夢は、ピラトの物語の結末…翌朝は安らかに目覚めるのが救い。
…イワンとニコライ!父称が交差してる!これも面白いな〜。一般的な名前なのかな?

  • 実は「指輪」以前のわたしは、「悪魔」派(^◇^;)

本屋さんで偶然見付けた新潮社の「悪魔とマルガリータ」にはまって、一気三度読みして、家族と友人に薦めまくっていたっけ(彼等は迷惑しただろーな〜^^;) 
当時は、スターリン時代のソ連の社会状況が、日本の戦前の軍国主義言論統制と良く似たものなんだな〜と感心したり、虐げられた人々を救うための革命が、いつの間にか人々を虐げる方向に進むのは、いつの時代でもあることと、ニヒル笑で片付けていた…中世の宗教裁判やロベス・ピエールの恐怖政治etc.…
自分の主義主張のために他者を排除するのは、あの大国のいわゆる正義の戦(それを闇雲に追従する腰巾着の極東の政治家)も同じようなものだろう。宗教戦争だって、利権争いに過ぎない。
そしてなにより醜いのは、権力を握った瞬間に腐敗が始まり、それに追随して私腹を肥やすヤツが出てくること(オーウェルの「動物農場」も同じ頃読んだんだっけ)そんなケチな人間どもの欺瞞と偽善に、サタンの高笑が聞こえる。人間って、なんと惨めな生き物なのだろう!
なんだかんだ言ってもロシア的ブラックユーモアに笑い転げ、冷徹なヴォランドさんに魅了され、黒猫を飼ったらベゲモートと名付けようと思うほどの執着!…実際にはルドルフと名付けたけれど…ルドちゃんも大好きだよ(^0^)/(そういえば、ポーの時はプルートと決めてたな〜^^;)
英訳の方は、いきなり読んだらたぶん難しかったかも。「指輪」も、先に何度も邦訳を読んでいたから、わからない単語も飛ばし読み、もしくは推察読みでわかったような気がしただけ。初読じゃ、わたしの技量ではちょっと無理だろうな〜。もっと易しい未読のものに挑戦する必要があるかもしれない。って、読書が勉強になるのは本末転倒だな。好きなお話を英語で読むってのが、一番楽しいのだ☆
難しいものは、あの方やこの方の解説を待つことにしよう(#^.^#)