アルスルの宮廷の三つのロマンス2

ペレドゥル

・ペレドゥル:歴史上の人物としての存在は定かではない。六世紀のカトライスの戦いで戦死した人物として、六世紀の詩人アネイリンのリストに登場するのみである。しかし後のアーサー王伝説の、中世ロマンスものの中では、聖杯の騎士の一人パーシヴァルとして華々しく甦る。長槍のペレドゥルと同一人物。また、黄金の手のアンガラットを意中の女人とすることを拒まれ、キリスト教徒とは一言も口をきかないと誓ったため、<沈黙の騎士>と呼ばれていたこともある。…と索引に書いてある。よーするにサー・パーシヴァルのモデルになった人なのね(^.^)

  • エヴラウクの息子ペレドゥルの物語

戦闘好きな夫と上の息子たちが尽く命を落としたため、末息子のペレドゥルが軍馬や武具に心を動かさぬよう隠遁生活を始めたエヴラウク伯爵の奥方。ある時少年は騎士オウァインに出会い、騎士とはなんたるものかを教えられ、自分も騎士になるためにアルスルの宮廷へ出かける。
少年が立派な騎士に成長する「幼な物語」であるのだけれど、いろいろなよく似た冒険の寄せ集めで、つながりが見えにくい。オウァインの役目がいつの間にかグワッフルマイに変わってたりして、こんがらがってしまった(汗)
面白いのは、カイが底意地の悪い先輩面の騎士として登場する。カイってエピソードによって性格が変わるので、わたし的には結構楽しいキャラではあるな〜。
ペレドゥルはパーシヴァルのモデルになっただけあって、純真で高潔なイメージ。首尾一貫した物語があるなら、読んでみたい♪