アイスランド人のサガ15

  • <南地区>ニャールのサガ

サガを知らない人はまずこの一冊をと推奨されるほどの傑作。小泉八雲が詳しくこの作品を紹介しているのは彼の鑑賞眼の高さが窺える…と絶賛。人間理解と心理洞察の深さはシェークスピア以前には、この一冊しかないとも言われている(らしい)
このサガ独立した二つの物語からなるドッペルサガというもので、
・前半:グンナルを主人公としてその生涯と死を扱う
・後半:ニャール一門の焼殺しによる死とその復讐
・口承伝説や多くのサガを巧みに利用して作られている

  • 簡単なあらすじがあるけど

この谷口幸夫さんの訳した「アイスランドサガ」に完全訳が載ってるので、書かないでおこう…あまりにも複雑な人物構成で、一度読んだだけでは把握できないし、よく似た名前がたくさん出て来て、こんがらかっちゃう(^◇^;)
「サガは異教末期の既にキリスト教精神がアイスランドに入った時代を反映していることは、復讐を呼ぶことを避け、おとなしく来世での慰めを信じて死出の旅に突くニャール夫妻や、義兄弟に危害を加えるよりはむしろ自らの死を望むホスクルドの倫理観に見ることが出来る。しかし、サガの底流をなしているのは、あくまで『エッダ』の英雄歌謡以来流れている復讐と、死をものともせぬ勇気という異教的な根源的なモチーフである。これが法律をはじめ異教のさまざまな生活に通じた作者が繰り広げる風俗絵巻の枠の中で、さまざまなタイプの人間が激突し、絡み合う中に展開されていく。生きの良い話し言葉のやりとり、機知、風刺、辛辣な言語表現の巧みさ。高度の緊張を呼ぶ構成。無駄のない即物的描写など…」と解説されている。
さぁ、まだ読んでない方は図書館に走ってね♪ んで、気に入ったら復刊ドットコムに投票しましょう(^_-)-☆
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