神話15

いよいよラグナレクル(世界の終末)の始まり。

・善良で、すべての神々、巨人、人間にこよなく愛されたバルドルが不吉な夢を見る。オーディンバルドルが死ぬと、ラグナレクルが訪れるのを知っていた。
オーディンスレイプニルに乗って黄泉の国のヘルの館へ赴き、巫女を甦らせ善後策を尋ねた。
バルドルには双子で盲目の弟ヘズがおり、陽気な兄と物静かな弟は深い兄弟愛で結ばれていた。しかし巫女はバルドルの命はヘズによって奪われると預言。そして西方の館で生まれたオーディンとリンドの子ヴァーリがその復習をするだろうと告げる。
フリッグは、地上に生い立つあらゆるものにバルドルを傷つけないよう誓いを立てさせる。火、水、あらゆる金属、石、大地,樹、病気、生物、毒…etc.試しにバルドルにめがけて射たり切りつけたりしても、彼は傷つかなかった(いくらなんでも危険な遊びと思わなかったのかね?…軽率な!^^;)
・ロキはそれが気にくわない(バルドルに嫉妬してたんだろ?) ただ一つヴァルハラの西に生い立つ宿り木の若木が誓いを立てなかったのを聞き出したロキは、盲目のヘズに宿り木を渡し、バルドルの方向を示し、他の神々のようにゲームに参加するようそそのかした。可哀想なヘズ!バルドルは死に、妻のナンナも悲しみのあまり心臓が張り裂けてしまった。
バルドルの火葬には多くの巨人たちも出席した。オーディンの子の一人、俊敏のヘルモーズは冥府に旅立ち、兄のバルドルを返してくれるよう頼んだ。ヘル(黄泉の女神)は「世界中の生きている者も死んだ者も皆がバルドルのために泣くならば、彼をアース神の元に戻そう」と言う。
・アース神は四方八方に使いを出し、人間も動物も大地や石も樹も泣いてくれるよう頼んだ。しかし泣かぬ者がただ一人。ロキが化けた女巨人セックがいた。バルドルは帰ってこない。