仮面舞踏会

beruthiel2008-07-02

ヴェルディ 
オリヴィエロ・デ ファブリツィース指揮
1967年9月10日東京文化会館でのライヴ

ヴェルディ「仮面舞踏会」(3幕6場) [DVD]

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  • 配役

グスターヴォ3世(スェーデン国王): カルロ・ベルゴンツィ(T)
レナート(国王の秘書): マリオ・ザナージ(Br)
アメリア(その妻): アントニエッタ・ステルラ(S)
ウルリカ(女占い師): ルチア・ダニエリ(MS)
オスカル(国王の小姓): マルゲリータ・グリエルミ(S)
昔はアリアごとに拍手に答えていたのね。何とも悠長だけど、これはこれで物語が中断しても、あんまり気にならなかった。オペラとはそういうものだと思えるようになったからかもしれない。歌舞伎でも大見得を切ったときには、こんな感じかも。

  • あらすじ

・第一幕
人望篤き国王グスターヴォ3世は、腹心の部下であり親友のレナートの妻アメリアを密かに愛している。アメリアも同じ思いに苦しんで、占い師ウルリカに相談。恋を断ち切るためには、真夜中に刑場に生える草を摘み取らなければならない。偶然お忍びでやって来た王がこの話を聞いてしまう。
アメリアが去ったあと、ウルリカは王が最初に手を触れたものに殺されると予言。遅れてきたレナートと握手をしてしまう。まさか信頼するレナートが?そんなことはあり得な〜いと、笑い飛ばす。
・第二幕
真夜中の刑場で「忘れ草」を探すアメリア。心配してやって来た王の告白に躊躇いながらも、熱い思いを打ち明ける。
そこへレナートが暗殺団が狙っていると駆けつけ、王を逃がしベールの貴婦人のエスコート。暗殺団とのもみ合いに、ベールがとれて妻を発見。暗殺団の嘲笑と、裏切られた思いにレナートは激怒。
・第三幕
身の潔白を訴える妻をしりぞけ、暗殺団に加わったレナート。仮面舞踏会にて小姓オスカルに王の扮装を聞き出し、ナイフで一突き。
王はアメリアの潔白とレナートの故国への栄転を告げ、すべての罪を許し息を引き取る。

  • 18世紀のスェーデンの暗殺事件が題材

王権を拡張しようとするグスタフ三世と、既得権を守ろうとする貴族との確執が真相。スキャンダルがらみではないけれど、公開当時は検閲にかかって、17世紀のボストンの青年総督リッカルドに変更して上演したそうな。現在でも両方のバージョンが存在しているんだって。
ちなみに例のフェルゼン伯爵も同時代人。彼は民衆に惨殺されたって「ベルばら」に書いてあったな〜。

  • 友情か愛か名誉か

と悩むグスターヴォ3世。でも、今までに観たヴェルディ歌劇のヒーローにくらべて、ノー天気で明るい性格…コミカルな歌も多いし、けっこう好きかも。見た目が太めなのも、許せる(笑)それにしても刑場の場面で、アメリアを夫のレナートに托すのは軽率だよな〜。レナートが裏切られたと思うのも無理はない。
上に挙げた配役、みんな素晴らしい歌唱力。特にウルリカさん格好良い…って、魔女好みか、わたしは!